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それ以来、

あの時少しだけ残った日本酒を

彼と飲み干す事はなかった…。

飲めなかったんだ……。

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「矢崎さん、ポニーテール似合ってるね。」

「比嘉警部補!おはようございます。
嬉しい!今日からこうしようと思って!」

何か、変えたかった。
あの日言葉に出したくない気持ちに襲われた私は、肩下まで伸びた髪を結い、気を引き締めて仕事に専念する事にした。

私の心の中で、

膨らみかける名前の分からない

感情に蓋をしたまま、

それから5年が過ぎて行った……。

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