「大丈夫…ですっ。
すいません…難波さんまで…川にっ」

叱られると、思った…。
私のワガママでここまで着いてきたのだから…。

だけど、私が見たのは彼の泣きそうな顔だった。

びしょ濡れのシャツははだけていて、
鎖骨が視界に入ってきた瞬間に私は難波さんに抱きしめられた…。

「難波さん……?」

「矢崎さんまで…失うのは、無理だ…。」

私より2倍以上も、大きい体…。

彼の速い心音を感じて、
胸の奥がギュッと傷んだ……。

「……ごめんなさい。」

難波さんの小刻みに震える手を握って、

安心させようとすると急に私から離れた。

「………すまん。」

動揺……したんですか?