そう言うと、比嘉警部補はペン立てにあった鉛筆でメモの1番上を薄く黒く染めた…。

「住所…?」

「現場から割と近いな。
難波くん、犯人の行方を掴んだんだ。」

「まさか1人で捕まえる気ぢゃ…!?」

"矢崎さん、俺に何かあったら…"

あの時の言葉が、更に嫌な予感を駆り立てた。

「ワシもすぐに向かう。矢崎さん、本部の本田刑事に連絡しといてくれ。」

「私も行きます!」

気づくと私はそう口走っていた。

「だめだ。君に危害が無いと言いきれない。」

「でも!あんな難波さん見たら、
1人で事務所で大人しく待ってられません!」

強く出ると、比嘉警部補はため息をついた。