耳を塞ぎたくなるようなブレーキ音と、叫ぶような2人の声。

と同時にドンッと押されたような感じがした。

「いてて.....。お父さん?お母さん?」

さっきの声、お父さんとお母さんだったよね?

「キャーーー」
「はやく、はやく救急車を!!」

周りの人の悲鳴や叫ぶような声につられてゆっくりと振り返った。

「え?.....」



「おと...う.....さん?おかあ.....さ...ん?」


血だらけで倒れていたのは、間違いなくお父さん、お母さんだった...


「お父さん!!!お母さん!!!」

すぐに駆け寄って声をかける


「お父さん!!!お母さん!!!ねぇ.....目え開けてよっっ。今日、メリーゴーランド一緒乗るって言ったよね???約束はちゃんと守りなさいってお母さんが言ってたよね?ねぇ...お父さん!!!お母さん!!!」


必死に声をかけていたら、「桜奈.......」と弱々しい声が聞こえてきた。


「お母さん!!!大丈夫?痛い??ごめんなさい.....桜奈が悪い子だから...」

「桜奈.....よく聞いてね.....桜奈はね、ーーーーー」


救急車の音が段々と近づいて来る。よかった...これでお父さんとお母さんは...









私の願いは、叶わなかった.......


案内されたのは、冷たくて暗い部屋。

「我々も全力を尽くしたのですが…ごめんね、お嬢ちゃん…...。」

部屋の真ん中には冷たくなったお父さんとお母さんがいた。


恐る恐る近づいて行くと、いつもの優しい笑顔はなく、真っ青な2人がいた。

それを見て、泣き崩れるおじいちゃん、おばあちゃん達。


その様子を見て、思った。













ーーー私が.......殺したんだ.........