ポタっポタっ。


オレンジ色に染まった空から雫が落ちてくる。


・・・・・・どれほど時間がたっただろうか。


フェンスに掴まって何とか立ち上がる。


さっき色々考えたんだ。


・・・・・・・・・母さんの前では笑っていよう。あと少ししか、おれたちに残されてないなら、その時間を精一杯笑って過ごそう。


おれが母さんのためにできることなんてこれしかないだろ。



「・・・うっし!」


気合を入れてバシンと自分の頬を叩く


うじうじしてるなんておれらしくねぇよ。こんな時だからこそ笑顔でいるんだ!



・・・本当は苦しくて、悲しくて仕方がない。でも、今だけは・・・この瞬間だけはその気持ちに蓋をする。







・・・・・・母さん。気づいてあげられなくてごめんな・・・。