(桜奈side)

病院への帰り道、私はずっとあることを考えていた。


「……瀬戸内くん、大丈夫かなぁ...。」


あんなに慌てていく姿、初めてみた。


……なにかあったのかもしれないし...。


...ってなんで瀬戸内くんのことが頭から離れないのーーー!!


瀬戸内くんはなんか...こう...今まで出会ってきた人たちとはちがう気がするっていうか...


……あーもう!考えててもわかんない!


この話は終わり!終了!


そうこうしているうちに病室に着いた。


「...ただいま。」


病室に入ると、気分がずんと沈む感じがした。


「……今日、検査の日だ。」



また、薬増えるのかな...。嫌だなー。



「桜奈ちゃーん?」


顔なじみの看護師さんが顔を覗かせた


「菊池さん。」


菊池恵美さん。この病院の看護師長だ


「桜奈ちゃん。今日は検査の日だけど...準備できてるかな?」


「はい…。できてます。」


「よかった!じゃあ、いこっか。」