(桜奈side)


あの転校生がやって来て数日。

彼は女子達からの莫大な人気により、周りは人でいっぱいになっている


それ以外は変化なし。だといいんだけど…...

「ねぇ、自己紹介しない?俺、お前と仲良くしたい」

休み時間ごとに話しかけてくる瀬戸内くん。

.....正直色々とめんどくさい。

そう思い、無視するんだけど、めげずに話しかけてくる。


「好きな物とかある?俺は.....甘い物かな」

...甘い物なんて、体に悪いからって小学校低学年から食べたこともない。

「甘いのは...好きじゃない」

ぼそっと答えてみる。すると大きく目を見開く瀬戸内くん。

「.....なに?」


あまりにもあからさますぎるから、聞いてみる。

すると、はっとしてニコっと満面の笑みを浮かべた。


「あっ、やっと答えてくれた!」

ーーードキッ。

あぁ。まただ。この人の笑顔には、いつも惹きつけられたように、目が離せなくなる。


今まで感じたことのない、彼に対してだけのこの感覚は、なんて言うのかな.....