一歩下がって2人の後ろ姿を見つめながら歩いていると、彩夏がピタリと足を止めた。

僕もびっくりして足を止めると彩夏は大きく深呼吸をすると
｢あー！！今日はいい天気だなー！！
こんな青空の日にはピクニックでもしたいな｣

そう言うと僕の手を引いて行こと走り出した

｢あんまり遠くまで行くなよー！！｣

後ろを振り返ると涼が笑顔で手を振っているのが見える。

どのぐらい走ったのかわからない。
坂道を駆け上がって階段を駆け上がって

｢着いた―。｣

彩夏が止まると自然に繋がれていた手は解けた。

｢久しぶりだねここ。｣

そう言って笑う彩夏の目線の先には僕達の出会った公園があった。
あのころと変わらず大きな桜の木からはハラハラと花弁が舞っている。

｢ありがとな。｣

｢ん？なんのこと？｣
そう言って微笑む彩夏には僕の言いたいことは全て伝わっているはずだ。