「おはよ。」
いつものように手を振る彩夏の横に
「よお。」
今日は珍しく涼がいた。

僕が驚いていることに気づいた彩夏は
「だから涼は来ないでって言ったのに。」
と言うと涼をじろりと睨む。

「俺がいないといつまでもお前ら進展ないだろ。」
そう言って涼も彩夏を睨む。

進展?なんのことかわからないがとりあえず今は2人の言い合いをとめるのが先だ。

涼は数少ない僕の男友達だ。

彩夏と涼とは小学生の頃からのくされ縁だが昔からこいつらは喧嘩が多くてそれをとめるのが僕の役割だった。

いつもの様に2人をなだめると僕達は学校へと向かった。

学校近くになるとこそこそと話し声が聞こえる。

「え、まじ?なにあのメンツ」

「てか1人完璧浮いてるだろ」

「藤原さんって涼くんと付き合ってると思ったらもしかしてあっちのインテリと付き合ってるの?」

「えー趣味悪くね?」

くすくすざわざわ色々な音が混ざる。