幼馴染みじゃいられない。

「るなー!あそぼー!」

「うん!!」

___あれは、小学6年生の時。
優とはクラスが離れたことなくて、登下校も昼休みも毎日2人で遊んだりした。

1年生の頃は、よく2人で居たりしても、

「優くんと琉南ちゃん仲良しだね〜!」

なんて言われたりするだけで、特に気にしてはなかった。

けれど、歳を重ねる毎に、思春期に入っていくわけで、仲良しって言葉だけじゃ、いられなかったときがある。

『なーなー優!!』

昼休み、2人で折り紙で遊んでいると、クラスのガキ大将みたいな子が、子分みたいな人達を2、3人連れて話しかけてきた。

「ん、なにー?」

『お前らってさーいつも一緒にいるよなーカレカノなのー?ww』

「え?カレ、カノ?」

投げつけられた聞き覚えのない言葉に、優はぽかんとしてた。

クラスの中ではその時、恋バナが流行ってたりしたけど、興味がなかったのか優は一切その話題に入ろうとはしなかった。

「か、カレカノってなに?」

優が質問を返すと、その子達は馬鹿にしたように笑った。

『はぁ?お前そんなのも知らねぇのかよwだからーこいつと付き合ってんのかってこと!!』

「え、えぇと...る、琉南とは幼馴染みなだけ、だよ」

『幼馴染みだからって一緒にいなくたっていいだろ!スキどーしなんだろどーせ!』

『ひゅー!!スキどーし!!チューしろよ〜!!w』

「ち、ちゅー...?」

なんのことかさっぱり分かってない優をいいことに、からかってくる男子達。

頭にカッ...と、血が上った私は、その男の子の頬を叩いてしまった。

「...ってえな、なにすんだよ!!!」

「ビクッ...ち、ちがうもん!優とはそんなんじゃないもん!」

この頃は、私も幼くて、からかわれることがただ恥ずかしかった。
だけど、それが逆鱗に触れたのか、男の子が私を突き飛ばした。

「った.......」

「クラスの女子がいってるぞ!お前のことうざいって!w優のそばにいんなよブス!」

...それをきいて、私が傷ついたのかは分からないけれど、ポロポロと涙が両目から溢れてきた。

悔しかったんだ、多分何もいい返せないのが。

.....そしたら、急にバシッ...と何かがぶつかる音がして、顔を上げると、優が私を庇うようにして立っていた。

「るなのこと悪く言うな!!るなを泣かすやつは俺が許さない!」

...その時の私は、驚きって言葉じゃ言い表せないほど衝撃を受けたと思う。

だって、優が人を殴るなんて。
いつも喧嘩事は嫌いで、温厚で人に優しい優なんだから。

...だから、涙も引っ込むくらい、嬉しかった。

「な、なんだよ...!意味わかんねぇよ!」

「お前るなにあやまれ!」

「う、うるせぇよ!いこうぜっ...!!!」

「あ、まてよ!!おい!!」

バタバタと走り去っていくその姿を追いかけようとする優を、私は急いで引き止めた。