「悪いことは言わないから、やめときな。
後で辛くなるのは、咲なんだから。」

いつになく、優しく諭すように話す海晴先生。

「そんなの分からないじゃないですか。
悠人先生が私を好きになってくれるかもしれないですよ!」

いつものように、強気で返す私に

「それはないから。
意地を張って好きでいるより、新しい恋を見つけな。」

「意地って!!」

「ホントに悠人先生が好きなら………
迷惑をかけないことを一番に考えるはずだよ。
咲のしてることは、パンダ組の子供たちと一緒。
自分が欲しいばかり言ってる。
オモチャを欲しがる子供みたいだよ。」

悔しい。

言われてることの意味が分かるから

益々悔しい。

そう。

私は…………

私だけを愛して、守ってくれそうな

年上の男の人を求めてる。

もしかしたら、悠人先生に恋をしたんじゃなくて

求めた条件にピッタリな悠人先生が欲しくなったのかも。

それでも

今、身近にいる人は………悠人先生だけ。

航は、学生時代の先輩で年上だけど同期だから頼りにならない。

園長先生は……

年上っていうより、おじさんだから対象外だもん。

やっぱり悠人先生しかいない。