長い1日を終えて、家路に着く。

あぁ~。

戻せるものなら、夏休みラストの日に戻りたい。

すんなりウチに帰る気になれず…………

少し足を伸ばして、駅前の大通りに向かった。

もしもあの日、右に進まず左に行っていたら…………

考えても仕方のない後悔ばかりが、頭を占める。

心と同じ雲行きに

益々どんよりと重たくなってくる。

ポツポツと頬を濡らす雨粒に

目の前の扉を開けた。

「………いらっしゃいませ。」

ほろ苦さが鼻の奥をくすぐる。

ガランとした店内は、間接照明が当たるだけで薄暗い。

今更気づいたけど……。

どうやらここは………喫茶店のよう。

初めてかも………………。