結局、一睡もしないで朝を迎えた。

幼稚園に着くと

四人の先輩達は、全員昨日の出来事を知ってるみたいで

唯先生に優しく声をかけていた。

どうして唯先生になの?

失恋したのは私だよ。

悠人先生の、心配そうに唯先生を見守る眼差しに

怒りが頂点に達する。

ムシしてやるべきことを黙々とこなしていたら

「ちょっと咲、こっちに来て。」って。

朝から私と唯先生の様子を気にしていた四人の先輩。

いつ呼び出しがあるかと思っていたから

特別ビビることもなく移動した。

私の部屋に5人で入って話し始めたけど……

いいのかな?

隣の部屋に唯先生がいるんだよ。

聞こえたって知~らない!

この時私は、自分の怒りが優先して

誰かを傷つける怖さなんて、全く想像していなかった。