最悪な2日目を最後に、夏休みが再び始まり

私は、退屈な時間を過ごしていた。

「あぁ~あ。
こんなに退屈するなら……
幼稚園じゃなくて、保育園に勤めれば良かった。
そうしたら、夏休みなんて殆ど無いのに。」

一学期の子供たちの記録もつけ

二学期行われる運動会のプログラムも作り。

やらなければいけないことも、一通り終えると

ただ退屈な時間との闘いになった。

せめて、友達でもいれば………

楽しい時間なんだけど

あいにく、友達と呼べる人間を持っていない。

実家に帰るという選択肢の無い私には…………

この狭いマンションの部屋だけが、自分の居場所なの。






「……………………………………咲々。」

もう一人の私。

妬ましいほどの愛情を、全て集めている…………私の分身。

両親、祖父母……友達に颯兄。

みんな彼女のものなのだ。

どうして私は二人で生まれてきたんだろう?

もしも一人だったら…………………。

考えても仕方のない。

私の中の黒い闇が顔を出すから………。

退屈なこの時間が大っ嫌い!

「あぁ~!!
止め止め!!!
咲々のようになれない自分が悪いだけ!!!」

気持ちを入れ替えて、携帯を取り出す。

唯先生にメールしてみようかな?

きっとまだ宿題を終えていないだろうな。

『プログラム、お手伝いしますよ。』って送ったら

『来て来て!
助けて~』って返事が来そう。

のんびり優しい先生を浮かべて、闇から脱出することに成功した。