流されて付き合ってみたら意外と俺様でした



「ただいまーこれおみやげ、幸のお父さんの手作り」

「クリームコロッケだ、食べていい?」

晃太もクリームコロッケが大好きだった
三個レンジで温めて即完食

「上手い、明日に置いといて」

「あたし、明日ご飯いらないから全部食べていいよ」

「食事にいくの?」

「多分、その予定、お風呂入ってくるー」

次の日、部活終わりに部室から出てくる幸太を待っていた香澄は一年部員に紹介された

「香澄ちゃん、入学式以来話せるね、幸太のヤキモチがひどくて俺に会わせたくないとかいってさーひどいよね」

この人の軽さは入学式から変わってなかった
香澄は苦笑いをしてうまくかわした

もう一人女の子を紹介された、同じ一年の部員の彼女さんらしい
雑誌で私を知ってくれてて大学は違うけど今日来るって幸太が話したから呼んだらしい

握手と写真を御願いされた、嬉しいな、直接言ってもらうと……

「飯食いに行く?」

「うん」

「飯行く奴はついてこいよ、奢りじゃねーけど(笑)」

「何だよ彼女の前だから奢れよな」

「そんな金持ってねえよ、二人分しかな」

結局用事のある二人が帰り部員五人と女子二人の七名で居酒屋に行った

部員と話してる幸太は楽しそうで奏多の軽いノリにも合わせていた

幸は今、バスケと友達にめぐまれてるなー香澄は隣でじーっと見ていた、話の邪魔をしないように時々相づちをうちながら

香澄は幸太にそっと耳打ちをしてトイレに立った

トイレから出ると幸太が待っていた

「トイレまでついてこなくても」

「だって、男に声かけられてないかなと思ってさ、チュッ」

香澄の頬にキスをした

「大丈夫だよ人もたくさんいるのに」

「心配だし、退屈してない?」

「大丈夫、幸が楽しそうなのが嬉しい」

二人は手を繋いで席に戻った、当然のごとくみんなに冷やかされながら……今までは人前は恥ずかしくて嫌だったのに会えなくなってからは不安や、気持ちも冷めないかなとか、紹介も何故してくれないのか、とか思っていた二ヶ月あまりのことを考えると素直になれた

他の人からするとたった二ヶ月じゃんと思うかもしれないけど付き合いの浅い私達には重要な期間だった

席に戻ってからはテーブルの下で手を繋いだ、手に汗をかいてくると幸太は香澄の腰に手をまわし
香澄を離さなかった



仲間との食事も終わり幸太は久々に香澄を家まで送ってくれた

「高校の時は当たり前だったのに、香澄の家に来るの久々だな」

「仕方ないよ、大学からじゃ遠くなっちゃうもん」

「だいぶ練習にもついていけるようになったし練習終わって遊べる気力もついてきた、香澄には寂しい思いさせたけど水曜日はなるべく会おうな」

「うん、わかった」

「あっ今度うちの大学で大学のリーグ戦があるんだ、家族とかは女子コートを椅子並べて下で見れるんだよ、見にこないか?」

「仕事だったらいけないよ」

「6月の最終日曜日空いてるはず」

香澄はスケジュール表をみた

「取材になってる、場所はまだ書いてない」

「それ、うちらの試合だから(笑)」

「そうなの?」

「政美さんに前期のリーグ戦の日程を渡しておいたんだ」

「何で私にはくれないのよ~」

「ごめん、無理だったら俺がつらいからできたらって渡したんだ、ちょうどその日樹里亜にインタビューのオファーが来てて、だから取材になってるんだと思う、試合でも仕事入ってる時もあるし、第二日曜日は無理だったんだよ、政美さんがその日は大丈夫って連絡くれた」

「わかった、あっ、晃太も誘ってみていいかな、部活次第だけど」

「いいよ、また連絡くれよ、人数いわなきゃいけないから」

「家族じゃなくてもいいのかな」

「先輩に聞いたら彼女連れてきてるっていってたから大丈夫」

「じゃあ、また来週ね」

「ああ、またな」

優しく幸太はキスをしてくれて帰っていった

「ただいま」

「おかえり」

「晃太は?」

「部屋よ」

香澄は晃太の部屋をノックした

「何?」

「6月の最後の日曜日空いてない?」

「期末テスト前で部活休みだよ」

「幸が試合見に来ないかって」

「見たい!」

「即答だな(笑)」

「だって見たいじゃん、当然だろ」

「わかった返事しとく、家族席で見れるって」

「先輩、ますます上手くなってるだろうなー、今日会ったんだろ?」

「うん、部員に紹介してもらった、幸もだいぶ身体が慣れてきたから水曜日は会おうってことになった」

「先輩でもきついのかー俺も体力つけなきゃなー」

「勉強もしないとね」

「頑張ってるよ今もしてたし」

問題集を見せる
香澄はおーっと驚いてページをめくった

「まだ全然解いてないじゃない、お風呂入ってこようっと」

香澄が部屋を出ていってから晃太は無言でガッツポーズをした