―――――――


「はぁーぁ………」


恋ねえ……

恋かあ……


「はぁー………」


「…っ…もうごめんってー!」


隣から美月の声。


「えー…?」


「朝からため息ばっか!……あたしが悪いんだけど…あんなこと思い出させてごめん」


「あ…」


私、ため息ばっかしてた?

あぁ、そうかも……




そして、美月は俯きながら言った。


「あたし、その…美優がまだ……桜井先輩のことスキだなんて思っていなくて……」


申し訳そうに言う美月。



―おい。

ちょっと待った!


「忘れているものだと思ってて……」


全然分かってないし…


「誰がよ」


「え?」


美月は俯いていた顔を上げた。


「誰があんな奴のこと引きずってるってゆうのよ」


「……え…違うの?」


「有り得ないし」


「………なぁーんだー!まじ焦ったし〜」


「………」


「あんな奴引きずってる訳ないか〜」


「………」


なにコイツ…

なにこの変わり様…


「むかつく…」


「え?」


「何も!」


心配してくれたんだよね!
そう思っとくよ!!


「はあーぁあ!」


美優はいままでにない盛大なため息をついた。