――――――― 「じゃ、いってくるな」 「はいっいってらっしゃい。気をつけてね」 「美優、気をつけて行くんだぞ」 「はいはい。いってらっしゃーい…」 母さんは父さんを玄関まで送りに行った。 相変わらず仲が良いんだから…… 美優は二人の背中を見てそう思った。 ―いつもと何も変わらない朝 だけど、いつもとは違う一日になることなんて美優はまだ知らない…