「え、あぁ…うん。今のところは……」


「それでねー!!お菓子クラブに入んない?!」


「…お菓子クラブ?」


「うんっ!お菓子作って食べるの!!いま、7人ぐらい集まってるの!!みーんな女の子なんだけどっ!!」


「なんで、私…?」


橘さんは、なんか…キャピキャピして、今時の若い嬢ちゃんって感じ…
他の子だってそうだろう…私はちょっと合わない…と、感じた


「そーゆーのってー大勢のほうが楽しいじゃない?でー部活入ってない人を片っ端で集めてんの!!」


わーお。ご苦労さんなことで…


「あーごめん。私お菓子とか甘いのあんまり食べないからさ…」


「“あんまり”でしょ?!食べたい日もあるかもよ?!」


はぁ?なんだそれ…


「いや、無理」


「作るだけでもいいしっ!」


そのほうが余計意味わかんないよ…
めんどくせー……―


「ごめん、無理…」


「えー!絶対楽しいよー?体験来る?」


しつこい…


「だからっ!!」


今にも怒鳴りつけそうになったとき…―


「みーっゆ!!トイレっ!!」


美月が私を呼んだ。


なんてナイスタイミング!!


「じゃっ橘さん、私入んないから!」


私は席から立ち上がり、一目散で美月のところへ向かった。


通りすぎた後ろから、橘さんの“えー?!”っていう声が聞こえた。



【橘 由祈】侮り難し―


そう、胸に強く言い聞かせた。