「ちょっ先輩?家んち逆!」
「あ?このまま家に返せないでしょ」
「え?」
「俺んち行って消毒するから」
「え?」
は?
何……
ぇえっ?!
「いいですよ!そんな家んちでしますし!」
「いーや!俺の気持ちが収まんない」
「えぇ……」
家って!
家って……
どーなのー?!
美優は焦り出した。
しかし優斗は止まるはずもなく、猛スピードで夜の町を駆け抜けている。
もうどう言っても無駄だな……諦めるよ私…
「てかせんぱーい!」
「なに?」
「風でヒリヒリしますー歩いてくださいよー!」
「無理!」
「いたいー!」
「バイキン体中に回るよ!」
「いーやー!」
先輩とか後輩とか忘れ、いつしかタメ口の美優。
「うわーん!いたいよー」
「うるさい!近所迷惑っ!」
「涙が出てきたー」
「もう着くから」
「あ゙だっ!」
「何?!」
「ひぇーん!舌噛んだー!」
「喋んな!」
そんなこんなで、優斗の家はもう目の前。
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