美優はかばんのファスナーを勢いよく開いた。 「あ…本当だ」 ♪〜♪♪〜… 「あっ切れた」 携帯電話を開くと、 「う…わあ……」 「どうした?」 「着信が……12件」 「うわあ…」 やばい、絶対怒ってるよ…… 「やばい」 冷や汗が流れる。 鳴ってたなんて…分からなかった。 「帰るよ!」 「ぇ」 いつの間にか、美優の手首は優斗に掴まれて、そのまま走り出した。 .