優斗は美優が眠るソファーに近付く。 「スースー」 ……寝かせておくか あまりにも気持ち良さそうな美優の寝顔が、優斗をそうさせた。 優斗は物音を立てないよう慎重に、椅子を窓の方へと持って行った。 そして、ここから見える校庭を見下ろした。 『もーいっぽーん!』 『ファーイトファイトー!』 がんばってんなー… と、少し感心した。 ふと、美優が気になり、そちらに目を向けた。 ……寝てる 「はぁー…」 ため息をひとつつき、優斗は、制服のポケットに手を入れ、何かを取り出した。 .