その日、私は図書館の人目につかない片隅に座り、本を片手に火照る顔をひんやりとした机に突っ伏していた。

やばい…これ完全に風邪だわ…

今日の授業は全部終わったから、もう帰れるんだけど…怠くて、動く気力が沸かない…

「あれ?お前どうした?」

机に顔を浸けたまま首だけを動かして声のした方を見れば先輩が立っていた。

事情を話すと呆れた顔をされる。

「お前もう大学生なんだから、体調管理くらいちゃんと自分で出来るようになんねーと。」

「ごもっともです…」

ぐうの音も出ません。