毎週金曜日の午後1時、学食の端にある長いテーブルに陣取り、二つ上の先輩に中国語を教えてもらいながらご飯を食べるのが私の楽しみになっていた。

「お前、全然発音なってねーかんな。」

「すみません…」

楽しみであるのだけれど、先輩は凄く厳しい。

激が飛んでくるのはいつものことだ。

「ここんとこ。」

先輩は二人の間にあるテキストの単語を指差す。

「何度言ったら分かんだよ。ここの発音は…」

そう言って、先輩の口から流暢な中国語が紡がれる。