その時々で違う部分もあるが、内容はほとんど同じ。

ふっと楽し気な笑みを浮かべる王は、何らかのメッセージを受け取っているのだろうか。

愛し気に小さな葉を撫で、満足そうな吐息をつくと、優雅な身のこなしで泉へと顔を向ける。

「そなたら、時間を持て余しているのであれば、水浴びの手伝いでもしてもらおうか」

わっと歓声をあげ、喜々として準備を始める水の精達の顔に憂いはない。

そして、その中心に移動した精霊王の美しい顔にも、今や影を落とすものはなく、その視線の先に広がる青空と同じように晴れ渡っているのだった。


この穏やかな日々が、いつまでもいつまでも続きますように。

そんな願いをひっそりと胸の中に抱き、泉の精は今日も美しき主に心をこめ、お仕えするのだった。