自分が眠りについている時、相手が何をしているか、なんて興味がない。
相手の考えを知らぬうちに読みとろうなど、思いもしない。
それは、相手を信じているからだ。
きっと、あれならば、立派に役目を果たしているだろう。
目覚めた時に森をみるだけで、そんなことはわかる。
王の樹を通して覗き見るまでもない。
けれど、片割れは…………そうではなかった。
片割れが、自分を信じていない。
小さな王にとって、そのことは大変腹立たしく、不愉快なものだった。
なぜ信じないのか、と問い詰めもしたし、いちいち見るな、と怒りもした。
しかし、状況は変わらない。
青年の王は、どうしても、自分を抑えることができないようだった。
それを知った小さな王は、苛立ち、落胆し、片割れのことを考えただけで、息苦しさを感じるようになった。



