こんな自分でもよく分からない気持ち、説明できないよ。
「良かった!私、後夜祭で告白しようと思っているの。だから、応援してね!」
ズキッ
そっか。
愛依はこの日のために頑張ってきたんだ。
桐ヶ谷くんの気持ちははっきりしないけど、きっと告白されたら……。
「分かった。頑張ってね、愛依」
私は何もして来なかった。
愛依と桐ヶ谷くんが付き合ったらどうしようって、そればっかり考えて。
何も行動にして来なかった。
そりゃあ、愛依に取られても文句は言えない。
どうして、こんな時に気づいちゃうんだろう。
今まで必死に否定してきた言葉が、今になって確信に変わるなんて。
好きだからこんなに苦しいんだ。
好きだからこんなに辛いんだ。
皮肉だよ。
どうせなら、もっと先に気づいていれば良かった。
そうしたら、愛依にちゃんと言えたのに。
私も好きだから、協力できないって。
そうすれば、こうならずに済んだのに。

