桐ヶ谷くんを庇うわけじゃないけど、みんなは桐ヶ谷くんのことが大好きなわけで、完璧な人だと思っている。



無口だけど、それも彼の魅力なんだと豪語する人もいて。



だから、そんな人たちの期待を裏切るようなことはしたくない。



それに、桐ヶ谷くんはそんな人じゃないといじめられるのも怖い。





「そうなんだぁ! 凄いじゃん!」





これ、上手くいっている?



私、恨まれたりしない?



いじめられたりしないよね?




桐ヶ谷くんファンから、酷いことされないよね?





未だ突き刺さる女子の視線から逃れるように、授業の用意をした。