寝ていることなんてできなくて、起き上がろうと体を起こそうとした。




だが



ガタンッ



いて。



すぐ傍にあった机に、思い切り肘をぶつけてしまった。



カッコ悪いな。




だけど、いつまでも痛がっているわけにはいかねぇ。





せっかく話すチャンスが舞い降りたんだ。




このチャンスを逃すわけにはいかない。





「誰だ、お前」





しかし、出てきた言葉はそんな一言。




バカ野郎。



何してんだよ、俺。




昔から目つきが悪いとか言われてきたが、まったく気にしなかった。




それがこんなところで仇になるとは。





光大に愛想よくする方法、教えてもらっとくんだった。




「き、桐ヶ谷くん!?」




綾瀬は臆することなく、俺の名前を呼んだ。




それだけで、心が弾みそうになる。