それって、俺と藤宮が付き合えるように、ってことか?
ふざけんな。そんなの……



「ありえないって思った?でもさっき光凛言っていたよ。出来る限り協力するねって」



追いかけてこないのもそのせいか?いや、期待なんかしてないけど。
俺と藤宮が二人きりになるように、ってことか?



「叶斗くんも諦めなよ。ほら、光凛楽しそう」



まるで見ているかのように言う藤宮が気になって、藤宮の目線の先を追った。
その先には楽しそうに二人で遊園地のマップを見る、綾瀬と光大の姿。



あぁ、そうか。
俺から言ったんじゃん。好きなら付き合えば良いって。
それなのに、勝手に期待して勝手に苦しくなって。



もしかしたら、綾瀬が俺達のこと探しているかもしれないなんてバカな妄想膨らませて。
そんなわけないのに。あいつはもう、幸せを掴んでいるのに。



「行くぞ」



もうどうにでもなれ。
綾瀬が光大と付き合ったのなら、俺は藤宮を好きになれるよう努力すれば良いだけだ。この性格の悪い女を、頑張って好きになれば良いんだ。