「おい。何か落ちたぞ?
うん?小説……」

えっ……?

ハッ!!

よにもよって恋愛小説を課長に拾われてしまった。

「あ、あの……それは……」

「お前……こういう恋愛小説とか好きなのか?」

拾うと不思議そうに小説のページをめくる課長。

あぁ、終わりだ。
とんだ妄想女だと思われただろう。

「まぁ…好き…ですね」

身体から火が出る気持ちで答えた。
恥ずかしいよ……。

しかし、すると

「そうか……あ、それならアレも好きなのか?
ほら…今流行りの…えっと…壁ドンってやつ」

課長の口から思わない単語が出てきた。

か、壁ドン!?
あの胸キュン定番の……あれ!?