ロスト・ラブ



悪意じゃないのはわかる。

そう頭ではわかっていても、心と体はまだやっぱり追いついてはいない。


大丈夫。前みたいに拒絶反応を起こしてるわけじゃない。


でも……。


「はーい、そこまで」


そんなとき、2人の背後からまた別の男子の声が聞こえた。

けれど、その声はもうよく知っている。


「あとは僕がついてるから。君らはもうどっか行って大丈夫だよ」


ニコリと笑うその人は、須藤くんだった。


颯太ほどと言ったら失礼かもしれないけれど、須藤くんが来てくれたら安心できる。


「え、でも」

「何、僕が信用できない?じゃあ、こう言ったら気が変わる?」


まだ心配してくれている様子の彼らに、須藤くんから笑顔がスッと消えた。



「颯太がいるから」