「もうっ、ハルちゃんもさっちゃんもひどい!胡桃本当につぶされるかと思ったんだからね!?」
頬を膨らませて怒っているようだけれど、あいにく私の親友はやっぱり可愛いだけだ。
そしてそんな表情を私以外の女子にも向けられるようになっていることに、改めて嬉しく思う。
「ねー、そういえばさ。あたし見ちゃったんだけど……」
突然、桜ちゃんが少しソワソワした様子で私を見た。
「茜ちゃんと柳くんって、付き合ってるの?」
「……っ!?」
急に来た直球な質問に、思わず立ち上がってしまいそうになった。
「茜ちゃん、落ち着いて落ち着いてっ」
それを咄嗟に阻止してくれた胡桃に、苦笑いでまあまあとなだめられる。
「ごめんねー。聞くのちょっと迷ったんだけど、昨日2人手繋いでたよね?もう気になっちゃって気になっちゃって」
「えー、そうだったの?全然気づかなかった」
そしていつの間にか、女子トークの流れになってしまって、完全に逃げ場を失った。



