パッと手を離されそうになって、咄嗟に拒むように左手に力を込めた。
「茜?」
前には胡桃たちもいる。
後ろを振り返られたら、手をつないでることなんて簡単にバレる。
……それでも。
「そのままでいい」
そのままで、いてほしいよ。
手もつないだままで。
昔を懐かしむその姿も、そのままで。
「もう私、前向いてるから」
だからお願い、颯太も一緒に前を向いてほしい。
いつも、どこか颯太は一歩下がって私を見守ってくれているような気がしていた。
それが嬉しい反面、どこかずっと寂しくて。
何度も颯太のせいじゃないと言ってるのに、
本人の中ではまだわだかまりが残ってるんじゃないかと時々思ってしまう。
好き、なのに。
私が颯太を縛ってるのかもしれない、なんて。



