「あかねちゃ……ぐすっ、茜ちゃん……っ」
「うん。……ごめん、ごめんね、胡桃」
こんなに泣かせてしまうなら、言わないほうがよかったかもしれない。
私の"男嫌い"の本当の理由。汚れてしまった、過去の話。
それでも、胡桃は嗚咽交じりの声で「話してくれてありがとう」と言ってくれた。
ごめんね、胡桃。泣かせて、ごめん。
聞いてくれて、こんな私でも受け入れてくれて……ありがとう。
ギュッと力強く胡桃に抱きしめられながら、私たちはふたりで少しの間一緒に泣いた。
「茜ちゃんのことは、胡桃も守るからね……!」
「……ふふっ、ありがとう」
落ち着いたころには、夕日が沈みかけていた。
胡桃に辛いことを背負わせてしまったという罪悪感とは裏腹に、今まで話せなかったことを親友にさらけ出せたことへの安堵もある。



