ロスト・ラブ



「……え、なに」

けど、次は目の前に差し出されたものに目を丸くする。


「消しゴム」

「うん、それは見ればわかる」


それは、颯太の掌に置かれた颯太の消しゴム。


えと、これは、どういう……。


「取って」

「え?」

「取って、これ」

はい、と、目の前に消しゴムを乗せた手を突き出されても、すぐに対応できるわけなんてない。


「なにこれ。どういうつもり?」

「いいから」


聞こうとしても、本人はその意図を語るつもりはないらしい。

やっぱり颯太の考えてることはわからない。


「もう、なんなの……」

ため息を吐いて、とりあえずその要望に応えようとゆっくり手を伸ばす。


……あ。


が、あと数センチのところでその手を止めてしまった。