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「もう平気なの?沢野さん」
「うん。もうすっかり」
その日の放課後も、例の4人で勉強会が開かれた。
一昨日と変わらず私の斜め前に座る須藤くんは、心配そうにそう言ってくれる。
「そっか、よかった。いきなり颯太が熱とか言い出すから焦ったよ」
「あはは、そうだよね。ごめんね、須藤くん。途中で帰っちゃって」
「いや、それは全然いいんだけどね。むしろ面白いものが見れたし」
そう言ってニコリと笑った須藤くんの考えていることは相変わらず読めない。
「薫、余計なこと言うなよ」
「やだなぁ、颯太。まだ何も言ってないって」
怖い顔で須藤くんをにらむ颯太にもへらへらと楽しそうに笑う須藤くんは、本当に不思議な人だ。
「茜も早くその問題解いちまえよ」
「え、あ、ごめん」
突然名前を呼ばれてドキンと心臓が跳ねる。
慌ててノートに目を向けたはいいけど、どことなく正面からの視線はそのままな気がして。



