自分でも相当焦っていたんだと思う。
『お前なんかと一緒に登下校するとか、マジでないから』
俺が、あんなこと言ったから。
あまりにも俺がひどい顔をしていたんだろう。
ようやく重い口を開いた父さんから聞かされたその話は、俺を後悔のどん底へと突き落とすには十分すぎた。
……翌日から、茜が学校に来ることはなかった。
久しぶりにその姿を見たときは、もう完全に俺の知っている茜ではなくなっていて。
いつも楽しそうな笑い声が聞こえてきた隣の家からは、なにか取り乱したように泣き叫ぶ茜の声と、そんな彼女にただひたすら『大丈夫よ』となだめるおばさんの声しか聞こえなくなっていた。



