「う~……」
教室に戻るなり、胡桃は机の上にしまい忘れていたプリントを目にして顔をしかめた。
「あ~、どうしよう茜ちゃん。もう少しでテストだよ……。胡桃、理数系全然わかんないのに」
頭を抱えながら胡桃が「もう見たくない」と裏返しにしたのは、昼休み前に配られた2週間後のテストの範囲表。
去年からの恒例となりつつある胡桃のテストへの落ち込み様に、なんだか思わず笑ってしまう。
「私も理数系難しすぎてわかんないよ。胡桃、また一緒に勉強しようね」
「うー……。そうは言っても茜ちゃん、胡桃より勉強できるじゃん……」
「え、そんなことないよ。……って、あーもう、拗ねないの」
よしよしと頭を撫でても、勉強嫌いな胡桃のテンションはなかなか元には戻らない。



