「なんの騒ぎだろうね」
胡桃と顔を見合わせて首を傾げる。
と、ちょうど話していた女子たちが一斉に私たちのところへと駆け寄ってきた。
私たち、というか、胡桃に。
「ねぇ、篠原さん。一昨日、柳くんと2人でいたって本当?」
「え……?」
突然威圧的にそんなことを聞いてきた彼女たちの態度に、胡桃はビクッと肩を震わせる。
「……ちょっと、何の話?」
あまりにも急すぎて会話に割り込むと、その話してきた女の子は私の顔を見ることもなくキッと胡桃をにらんで言った。
「一昨日、放課後の教室で篠原さんと柳くんが2人でいるのを見たって子がいるの。その時、泣いてる篠原さんのことを柳くんが抱きしめてたって」
「っ、そんなこと……!」



