「そう、だったんだ」


胡桃の口からやっと昨日のことが聞けて、合点がいく。


颯太の言動から察してはいたけど、改めて胡桃からちゃんと教えてもらってスッキリした。


やっぱり、颯太だった。

助けてくれたのも、胡桃に知らせてくれたのも、帰りに待っていてくれたのも。

……たぶん、今朝も待っていたことも。


全部颯太の優しさだとわかって、目頭がジンと熱くなる。


「教えてくれてありがとね、胡桃」

「……ううん。嘘ついてごめんね、茜ちゃん」

「んもう、胡桃は悪くないのっ。ほら、もうその顔やめないと怒るよ?」


ムニーッと胡桃のやわらかい頬を引っ張って、にやりと笑う。


「いひゃい、いひゃい」と涙目になる胡桃が可愛くて、思わずクスクス笑ってしまった。