昨日のことと全く関係がないって言えば嘘になるけど、でも、寝坊したのは完全に私がちゃんとしてなかったからで。
「本当に……?それならいいんだけど」
「あはは。胡桃は心配症だなぁ。ごめんね、ありがとう。でも、もう全然大丈夫だよ」
ポンポンと頭を撫でると、胡桃は安心したように笑った。
その顔に私も胸を撫でおろしながらも、一つだけ、どうしても胡桃に聞きたかったことがある。
それを言ったら、胡桃を困らせてしまうだろうか。
そんなことを考えながら、私は言葉を選びながら口を開いた。
「それにしても胡桃。昨日私を運んだの、本当は颯太だってこと隠したでしょー」
「え……っ、う、あ……ごめんなさい」
少し軽口で冗談めかして言ってみたけど、案の定胡桃は言葉を詰まらせてシュンとしてしまう。



