時刻は、7時58分。ほぼ8時だ。
完全に寝坊……っ!
お母さんはもう仕事に出ているだろうから、そりゃ起こしてくれるはずもない。
慌てて制服を着てカバンを持って部屋を出る。
急いで洗面所で顔を洗って、歯磨きをして、髪を整えた。
朝ごはんは……、うん、無理。食べる時間ない。
バタバタと家の中を走って玄関の扉を開けると、そこには不機嫌そうな颯太がいた。
「遅い」
「ご、ごめんっ」
文句を言われて咄嗟に謝ったけど、ん?と考え直す。
「ていうか、なんで待って……」
「んなこと言ってる場合か。遅刻するぞ」
「あ、ちょっと!」
私がきちんとと靴を履いたことを確認したのか、颯太は走り出す。
私も慌ててその後ろを追いかけて、それはもう全力で走った。



