「私がいなくなってしまったから、カジビは守ってくれるものがなくなり立場が弱くなってしまった。だからあんなことに」
キイトが側にいない事がチャンスとばかりに、一部の心無い山の者はカジビを追い出そうと企んだ。
カジビをけしかけ、鏡をわざと使わせることで人々に危険な存在と知らしめようとした。
カジビを怒らせるきっかけとなったのが、キイトの悪口だった。
「こんな二又の嫌味嫌われる存在を庇うなんて、キイトも元々体が弱いだけに頭も弱くていかれてたんだよ。そうじゃなければこんな縁起の悪い奴なんかと一緒にいられるわけがねぇ」
「そうだな、キイトの頭がおかしかったんだな」
カジビは自分のことだけを言われるのならどんなことでも我慢できた。だがキイトのことまで馬鹿にされると、怒りが爆発してしまい感情が抑えきれなくなった。
「キイトの悪口をいうな」
血が逆流するような激しい憎しみを抱き、カジビは目の前の山の者の魂を鏡に吸収してしまい、そのものは地面にたおれてしまった。
周りに居た他の者はカジビの力の強さに驚き、慌てふためいて逃げていく。
カジビは鏡を掌の中に収めながら、暫く突っ立っていたが、落ち着きを取り戻したとき、目の前に倒れた者がぱっと視界に入り怖くなってしまった。
慌てて魂を元に戻し、その者の蘇生を試みた。
倒れていた者は息を吹き返すと、ほっとしたものの、それは取り返しのつかない状況を生み出し、カジビはそれから山の者達から正真正銘の邪悪の対象となってしまった。
「こうなっては、カジビは殺されても仕方がないと思い、突然箍(タガ)がはずれたようにカジビは狂い、赤石に手を出すことを決意してしまったのさ。だが、それは失敗に終わり、その後カジビがどうなったのかは誰も知る由がないって訳」
キイトが最後に大きくため息をついたことで、これでこの話が終わりということを示した。
キイトが側にいない事がチャンスとばかりに、一部の心無い山の者はカジビを追い出そうと企んだ。
カジビをけしかけ、鏡をわざと使わせることで人々に危険な存在と知らしめようとした。
カジビを怒らせるきっかけとなったのが、キイトの悪口だった。
「こんな二又の嫌味嫌われる存在を庇うなんて、キイトも元々体が弱いだけに頭も弱くていかれてたんだよ。そうじゃなければこんな縁起の悪い奴なんかと一緒にいられるわけがねぇ」
「そうだな、キイトの頭がおかしかったんだな」
カジビは自分のことだけを言われるのならどんなことでも我慢できた。だがキイトのことまで馬鹿にされると、怒りが爆発してしまい感情が抑えきれなくなった。
「キイトの悪口をいうな」
血が逆流するような激しい憎しみを抱き、カジビは目の前の山の者の魂を鏡に吸収してしまい、そのものは地面にたおれてしまった。
周りに居た他の者はカジビの力の強さに驚き、慌てふためいて逃げていく。
カジビは鏡を掌の中に収めながら、暫く突っ立っていたが、落ち着きを取り戻したとき、目の前に倒れた者がぱっと視界に入り怖くなってしまった。
慌てて魂を元に戻し、その者の蘇生を試みた。
倒れていた者は息を吹き返すと、ほっとしたものの、それは取り返しのつかない状況を生み出し、カジビはそれから山の者達から正真正銘の邪悪の対象となってしまった。
「こうなっては、カジビは殺されても仕方がないと思い、突然箍(タガ)がはずれたようにカジビは狂い、赤石に手を出すことを決意してしまったのさ。だが、それは失敗に終わり、その後カジビがどうなったのかは誰も知る由がないって訳」
キイトが最後に大きくため息をついたことで、これでこの話が終わりということを示した。



