恋の宝石ずっと輝かせて2

「なんだかまだ拗ねてるみたいだな。もう少しあんた達話し合った方がいいんじゃないのか」

「でも、セキ爺に負担は掛けられないし、時間制限があるとどうしても焦って冷静になれない」

「何言ってんだい。他にも方法があるんだ。今度は私が手伝ってやる。但し、これはユキの中で起こることだ。少しユキに負担がかかってしまうんだ。多少の危険を冒すけど、それでも構わないというのなら手伝ってやる」

 キイトが挑戦を挑むような厳しい眼差しを向けてユキの覚悟を確かめた。

「どんな危険があっても受けて立つわ」

 例え死が招いたとしてもユキは恐れなかった。

「それなら話は早い。それじゃここに寝転びな」

 キイトは座っていたソファーから立ち上がり、ユキに場所を譲る。

 ユキは詳しい説明などいらぬという意気込みで言われた通りに寝転んだ。

 側にキイトが寄り、ユキの両手を取って胸で組み合わせると、何かの儀式が始まりそうだった。

「準備はいいかい。ユキはこれから眠りについてもらう。でも体は眠っていても、意識は目覚めているんだ。トイラと意識同士で会うんだ。そこでなら思う存分トイラと話せる。また意識の中では触れ合った感触も味わえるはずだ」

「わかったわ。だけど、何が一体危険なの?」

「それは、意識の中では全てを現実に感じてしまう。少しイメージすれば、そのまま目の前に何でも想像したものが現れてしまう。好きな場所にいけて、好きなものを登場させる事ができる。夢を見ているときを考えて欲しい。その中では全てが現実のことのように思うだろ。起きて初めて夢だったと気がつく。もし意識を通い合わせているときにそれを現実だと思い込んでしまったら、トイラの力に左右されることなくユキはこちら側に戻ってこれなくなるってこと。だから常に意識同士で会ってることを忘れてはいけないんだ。その区別がユキにはできる?」

 キイトの目が尖ったように鋭くなった。