恋の宝石ずっと輝かせて2

「ごめん、勝手にそう思っただけ。まだはっきりと証拠がないから……」

 ユキも仁もキイトに心配の眼差しを向けていた。

 セキ爺は仕方がないとゆっくり被りをふって顔を歪ませていた。

「わしは山の者にカジビについて心当たりはないか聞いて回ってくる。キイトはこの二人に手伝ってもらって人間界を探してくれ。他に誰か助っ人がいるのなら、力を貸してくれそうな者たちに頼んでみるが」

「まだ真相を誰にも話してないんでしょ。だったら助っ人はいい。セキ爺も気をつけて訊かないと、誰かが不審に思ってさらなる誤解をうむかもしれない」

「分かっておる。もし理由を聞かれたら、トイラの名前を出させてもらう。昨年ここで暴れたから、皆存在を知っているし、トイラがカジビの噂を聞いて会ってみたいと無理に頼まれたことにさせてもらうわい。それでいいじゃろ」

 セキ爺は念のためユキと仁に許可を取った。

 二人は問題ないとコクリと頷いていた。

 セキ爺は皺がくっきりと浮き上がった笑顔を見せて、そして山の方へと歩いていった。

「セキ爺、怪我してるし、年も取ってるけど、大丈夫かな」

 小さくなるセキ爺の後姿を見つめながら仁が呟いた。

「セキ爺は年はとってるけど、足腰はしっかりしてる。多少のことなら大丈夫だと思う」

 キイトはあまり元気なく答えていた。

「キイトは大丈夫なの? なんだかやけに疲れてるみたいだけど」

 ユキも心配した。

「私よりも疲れているような表情のユキに言われてもな。あんたの方がよっぽど心配だよ」

 キイトの指摘にユキはどう答えていいかわからなかった。

 三人は対策を練ろうとまずユキの家へと一旦戻ることにした。