恋の宝石ずっと輝かせて2


 セキ爺が一仕事終えたとばかりに、ゆっくりと歩いてきた。

「さてとこれからどうする? なんにせよ、カジビを探し出さないことには前に進まんわ」

「でもどうやってカジビを見つければいいのですか?」

 仁が聞いた。

「カジビは人間界に上手く紛れ込んでるのかもしれぬ。あいつは尻尾が二股という特例なこともあり、普通のものと違って多才に色々な力をもってるんじゃ。七変化も得意でのう。男にも、女にも何にでも姿を変えられる」

「それじゃこの街に隠れているんですか?」

「多分そうじゃろ」

「カジビは危険な人物なんですか?」

 今度はユキが質問した。

「赤石を狙っているとなるなら、わしらにも脅威となる対象じゃ……」

 セキ爺はキイトを横目に気まずそうに言葉を濁し、大きなため息を一つ吐いた。

「カジビは赤石なんて狙ってないと思う」

 キイトが小さく呟く。

「庇いたい気持ちはあるじゃろうが、ニシナ様も行方不明になっとるし、カジビが姿を見せないとなると皆そう思うじゃろ」

「もしかしたら、誰かがカジビのせいにしようとしているのかもしれない」

「キイト、なぜそんなにカジビを庇う? 何かカジビについて知っているのか。そうなら、包み隠さずわしに話してくれ」

 セキ爺が問い質すとキイトは首を横に振った。