恋の宝石ずっと輝かせて2

「ユキ、俺も君と同じようにずっと辛い思いだったこと考えてくれ。俺のことを思うのなら、俺を自由にしてくれないか」

「どうして、どうしてそんなことを言うの? トイラは私のこと嫌になったの?」

「なぜそうなるんだ。でももう一度よく考えて欲しい。ユキはこれからどうすればいいのか。俺が本当に望んでることは何か。君なら分かるはずだ」

「わからない。そんなのわからないわ。私はずっとトイラと一緒にいたいだけ。それとも、私から出たとき、あなたは人間の姿になれるとでもいうの?」

「いや、それは無理だ。それに俺が望んでない」

 人間になる方法があると仁から聞かされても、トイラはそのことをユキにいいたくない。

「じゃあ、だったら私はこのままでいい」

「このままでいいはずがないだろ。いずれ俺はユキを吸収してしまうんだぞ。そしてユキこそ俺に支配されて意識を失う。本来の命の玉をとる行為が逆転してしまうんだ」

「それで本望だわ」

「いい加減にしろ。俺がユキに成りすましてしまうんだぞ」

「トイラに会えないのなら自分はいなくなってもいい! あのときのような気持ちは二度と嫌だわ」

「ユキ!」

 静かな神社で二人の声が響き渡った。

 遠くで仁たちが何事かと気になってみては、心配する眼差しを向けていた。