「ユキ、俺も君と同じようにずっと辛い思いだったこと考えてくれ。俺のことを思うのなら、俺を自由にしてくれないか」
「どうして、どうしてそんなことを言うの? トイラは私のこと嫌になったの?」
「なぜそうなるんだ。でももう一度よく考えて欲しい。ユキはこれからどうすればいいのか。俺が本当に望んでることは何か。君なら分かるはずだ」
「わからない。そんなのわからないわ。私はずっとトイラと一緒にいたいだけ。それとも、私から出たとき、あなたは人間の姿になれるとでもいうの?」
「いや、それは無理だ。それに俺が望んでない」
人間になる方法があると仁から聞かされても、トイラはそのことをユキにいいたくない。
「じゃあ、だったら私はこのままでいい」
「このままでいいはずがないだろ。いずれ俺はユキを吸収してしまうんだぞ。そしてユキこそ俺に支配されて意識を失う。本来の命の玉をとる行為が逆転してしまうんだ」
「それで本望だわ」
「いい加減にしろ。俺がユキに成りすましてしまうんだぞ」
「トイラに会えないのなら自分はいなくなってもいい! あのときのような気持ちは二度と嫌だわ」
「ユキ!」
静かな神社で二人の声が響き渡った。
遠くで仁たちが何事かと気になってみては、心配する眼差しを向けていた。
「どうして、どうしてそんなことを言うの? トイラは私のこと嫌になったの?」
「なぜそうなるんだ。でももう一度よく考えて欲しい。ユキはこれからどうすればいいのか。俺が本当に望んでることは何か。君なら分かるはずだ」
「わからない。そんなのわからないわ。私はずっとトイラと一緒にいたいだけ。それとも、私から出たとき、あなたは人間の姿になれるとでもいうの?」
「いや、それは無理だ。それに俺が望んでない」
人間になる方法があると仁から聞かされても、トイラはそのことをユキにいいたくない。
「じゃあ、だったら私はこのままでいい」
「このままでいいはずがないだろ。いずれ俺はユキを吸収してしまうんだぞ。そしてユキこそ俺に支配されて意識を失う。本来の命の玉をとる行為が逆転してしまうんだ」
「それで本望だわ」
「いい加減にしろ。俺がユキに成りすましてしまうんだぞ」
「トイラに会えないのなら自分はいなくなってもいい! あのときのような気持ちは二度と嫌だわ」
「ユキ!」
静かな神社で二人の声が響き渡った。
遠くで仁たちが何事かと気になってみては、心配する眼差しを向けていた。



