仁はカジビのこと、ユキと意識を離した後も人の姿になれる方法があること、そして楓太のことを話した。
トイラは黙って聞いていたが、時々考え込むように何かを思いつめる。
それはトイラの意思だが、見かけはユキだ。
仁は複雑な思いで、その様子を見ていた。
「なんだかややこしいことになりそうな気がする」
気難しそうに懸念しているトイラ。
「なんでだよ。トイラは人間になれるんだぜ。まずはいい話じゃないか」
「お前、なんか俺に隠してることないだろうな」
「何を隠すんだよ。全て今話したじゃないか」
トイラは目の前にあったクッキーを一つ手にして食べた。
「甘いな」
その言葉は自分の話に対して言われたように聞こえ、仁は喉の奥で声が詰まった。
「だから、カジビを探し鏡を手に入れ、トイラの意識をそこに閉じ込めてから人の姿にする。これが分かっただけでも少し前に進んだじゃないか」
「で、ニシナ様の件はどこに組み込むんだ」
懐疑心を持った目。トイラの意識だが、ユキの顔でみられると仁は居心地が悪い。
「ニシナ様はもちろん探すのを手伝うよ。犬の楓太の口をもっと割らすこともできるかもしれないし、カジビが何か知ってるかもしれないじゃないか」
「もし、カジビが悪い奴だったらどうするんだよ。キイトの話じゃ赤石を手に入れようとしたことがあるんだろ。そんな奴を信用できるのか?」
トイラなのにユキにお説教されてる気分を仁は味わう。ユキならこの話に賛成するだろうに、トイラが乗り気にならないのが仁を焦らせる。
トイラは黙って聞いていたが、時々考え込むように何かを思いつめる。
それはトイラの意思だが、見かけはユキだ。
仁は複雑な思いで、その様子を見ていた。
「なんだかややこしいことになりそうな気がする」
気難しそうに懸念しているトイラ。
「なんでだよ。トイラは人間になれるんだぜ。まずはいい話じゃないか」
「お前、なんか俺に隠してることないだろうな」
「何を隠すんだよ。全て今話したじゃないか」
トイラは目の前にあったクッキーを一つ手にして食べた。
「甘いな」
その言葉は自分の話に対して言われたように聞こえ、仁は喉の奥で声が詰まった。
「だから、カジビを探し鏡を手に入れ、トイラの意識をそこに閉じ込めてから人の姿にする。これが分かっただけでも少し前に進んだじゃないか」
「で、ニシナ様の件はどこに組み込むんだ」
懐疑心を持った目。トイラの意識だが、ユキの顔でみられると仁は居心地が悪い。
「ニシナ様はもちろん探すのを手伝うよ。犬の楓太の口をもっと割らすこともできるかもしれないし、カジビが何か知ってるかもしれないじゃないか」
「もし、カジビが悪い奴だったらどうするんだよ。キイトの話じゃ赤石を手に入れようとしたことがあるんだろ。そんな奴を信用できるのか?」
トイラなのにユキにお説教されてる気分を仁は味わう。ユキならこの話に賛成するだろうに、トイラが乗り気にならないのが仁を焦らせる。



