恋の宝石ずっと輝かせて2

「……あるものは暗いところに閉じ込めたと言うし、またあるものはすでに殺されたのではともいう。そういうことがうわさされているだけで真相は詳しく分からないんだ。そしてカジビは姿を消した」

「なんか彼を探すの難しそうだね。それじゃ閉じ込める鏡という道具は残ってないの?」

 仁はまだ安易に考えていた。

「それがあったとしてもカジビにしか使えないものだ」

「一体どんなものなの?」

「鏡はカジビの手作りだ。掌くらいの丸い大きさのもので銅鏡に似ている。カジビだけが所有する特別な道具。使いきりというのか、一個につき一回しか使えない。そして使った後は壊して全てを抹消するんだ」

「そうなのか。だけど壊すものなら、トイラは自分を銅鏡の中に閉じ込めて死のうとしているのか」

「別に壊さなければそのまま閉じ込められた状態が続くだけだし、その前に閉じ込めたものを取り出して人の形にする事もできる。それがカジビの妖力だ」

 キイトはちらっと見て仁の様子を窺った。

「だったら、カジビを見つければ本当にトイラを助けられるかもしれないんだ。益々カジビを見つけなくっちゃ」

 仁が言った後、少し間を空けてからキイトは静かに答えた。

「本当にそう思うのか。仁はカジビを本当に見つけたいのか?」

「トイラが助かる方法があるなら、見つけるしかないじゃないか」

「愚かよのう、仁。ならばトイラを助ける方法を詳しく教えてやろう。トイラを人の姿にすることは可能だ。それは私が保証する。だが仁、本当にそれでいいのか良く考えるべきだ」

 キイトは仁にトイラを人の姿に変える方法を話してやった。

 仁は考え込むようにそれを聞いていた。