恋の宝石ずっと輝かせて2

「大きいじゃないか。それなら何も君たち種族だけでなく人間も欲しがるよ」

「えっ、人間も欲しがる?」

 キイトは目を丸くする。

「だからすごいお金になるってことさ。ニシナ様がその赤石を持っていたならば、人間が連れ去ったって事も考えられるかも」

「人間が、連れ去った? そんな……私達でも恐れるという洞窟に入り、祠を人間が壊すなんて考えられない。人間は神を恐れるものだ。そんなことしたら罰が当たると当たり前に思われてるはず。だから人間が赤石に触ることなどできないはずだ。人間が赤石に触れれば……」

「死ぬとでも言うのか? それにしてもお前は人間をかなり信頼してるみたいだな」

 横からトイラが口を出す。

「お前の種族は人間を嫌っているのか? ここの人間は色んなものに神様が宿ってると信じている。私たち種族を神やその使いだと崇めてくれる。人間がそんなことをするとは思えないだけだ」

「そうだな、俺たちとはそこの考え方が違うようだ。俺たちは完全に人間を排除して生活してきた。きっとこの先もそれは変わらないだろう。だがそんなに人間と接点を多くしたら、人間に恋をするものもいるんじゃないのか」

 トイラは自分の行いを自虐し、つい皮肉ってしまう。

「ああ、もちろんいる。そして結婚してるものもいるぞ」

「えっ?」

 あっさりと言われて、トイラも仁もびっくりした。

「なんだ、お前だって人間の女に恋をしたじゃないか。何がそんなに不思議なんだ」

「どうやって結婚して生活を共にするというんだ。お前達の種族は寿命が人間と同じなのか?」

 あまりにも容易い答えに、トイラは驚きが隠せない。